Mission

私たちは海外各都市にある日本人研究者コミュニティの連合(現在の参加コミュニティはこちら)、海外日本人研究者ネットワーク United Japanese researchers Abroad (UJA) を昨年末に立ち上げ、お世話させていただいているものです。

私たちがUJAを立ち上げたのは海外の日本人研究者同士の大規模かつ有機的な結びつきからお互いの研究キャリアを高めあい、さらに究極的には日本の科学技術の未来を明るくしていく、そのためのアクションを起こしていきたいと考えたからです。個人としてまた日本国家としてグローバル競争を勝ち抜くことを考えたとき、日本人であることを生かした広範で戦略的なネットワーキングは不可欠だと、海外に身をおいて強く感じるようになりました。海外の各地域には日本人研究者による自主的な勉強会組織がありますが、地域を超えた大規模な活動は無く、また主催者が異動等で代わると自然消滅することもしばしばです。また全体としていったいどれだけの日本人研究者が海外で研究に従事しているのか、いかなる機関も把握していないようです。

そういったなかで昨年の2012年10月に日本学術振興会ワシントンオフィスのサポートのもと、米国東海岸各地の勉強会の幹事が一堂に会する機会を得まして、それぞれの抱える問題意識などの意見交換から地域間連携の機運が芽生えました。その後、本業の研究の合間を縫って連絡を取り合いながら上記のUJA発足に至りました。現在では主に米国・東海岸の以下の地域コミュニティから参加者を得ておりますが、やがては全米から海外全域へと広げ、またコミュニティ単位だけでなく個人単位でも参加できるよう体制を整えたいと思っています。

この3月21日にも再び日本学術振興会ワシントンオフィスに集まりまして、具体的なUJAの活動方針や運営方法、また日本学術振興会ワシントンオフィスから運営をサポート頂く旨を確認しました。現在のところまだ準備段階ではありますが主に下記の3つのミッションを遂行していきたいと思っています。
  1. 留学を考える人へ情報・支援を提供する窓口の整備
  2. 日本・国際舞台において活躍し続けるための相互支援とキャリアパスの透明化
  3. 教育科学技術行政機関との情報交換および連携
また、今回の分子生物学会年会での新しい企画「海外ポスドク呼び寄せ」「生命科学研究を考えるガチ議論」などは、日本の科学研究が一つの岐路に差し掛かっていることへの強い危機意識が背景にあるのかと思います。日本を取り巻く環境は厳しくなる中において科学研究でリーダーシップを発揮していく為には、国際感覚豊かな人材を養成・確保する必要があります。その一方で、現場の若い人たちは目の前のキャリアに不安を抱き、特に先の見通しが不確かな留学をためらうというのが現状でしょうか。私どものミッションはこのような問題へのアプローチとして合致するところが多く、何より我々の立場だからこそ出来ることも多いのではないかと思いました。日本分子生物学会は生命科学系学会として最大規模であり、とりわけ大学院生・ポスドク世代が多く参加しますので、この分野での留学に関するホットでリアルタイムの情報を提供することには大きなニーズがあるのではと考え、具体的な提案としまして以下のようなアイデアを持っております。

1.留学相談コーナーのブースを設けさせて頂き、以下のような活動を行う
・ 留学希望者への情報提供
・ 日本人ポスドクを募集しているラボの紹介
・ 海外ポスドクのための就職面接のような機会を設ける
2. Funding agencyとの議論に参加させて頂き、海外での経験、海外からの視点を含めて議論を深める
3. 留学経験者を対象とした大規模アンケートを実施し、研究留学の実態を紹介する
4. 大規模アンケート結果を元に、実態に則したより良い頭脳循環システムの在り方を議論・提案する

上記のアイデアはまだ骨組みの段階で、これから皆さんの意見を伺いながら肉付けを進めてまいります。いざ実行するとなれば多くの方の協力が必要となりますのでその時はどうかよろしくお願いします。またこの他にもアイディアがありましたら是非検討させていただきたいと思っておりますのでこのサイト上やEメールにてご提案頂けますと幸いです。

United Japanese researchers Abroad (UJA) 世話人


UJAの活動内容を紹介した資料(スライド形式)がダウンロードできます。
海外日本人研究者ネットワークUJA活動内容紹介.pdf

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